保護司とは

 犯罪や非行のない、安全安心な社会の実現は、全ての人の願いです。その実現は容易ではありませんが、少しでも犯罪や非行を減らすために大切なことの一つは、過ちを犯した人の再犯や再非行をできる限り少なくすることです。

 保護司は、犯罪や非行をした人たちが再び罪を犯すことがないよう、その立ち直りを地域で支える民間のボランティアです。
 法務大臣からの委嘱を受け、全国で約4万7000人が保護司として活動しています。

ホゴちゃん(更生保護のマスコットキャラクター)

ホゴちゃん
(更生保護のマスコットキャラクター)

 犯罪や非行により裁判所で何らかの処分を受けた人たちも、いずれは社会に戻ってきます。
 その際、いかに本人が反省し、やり直そうと思っていても、本人が有するハンディキャップや社会の側のバリアなど様々な要因により、社会の中に居場所(住まいや就職先、相談相手になってくれる人や組織など)が得られず、再犯や再非行に至ってしまうケースも少なくありません。


 再犯や再非行に至ってしまうことは、本人にとって残念な結果というだけでなく、新たな被害者を生むことになり、ひいては地域社会における平穏な暮らしが脅かされることにもなってしまいます。
 安全安心な地域社会を実現するには、犯罪や非行をした人が過ちを繰り返さないようにすることが大切であり、そのためには、彼らを社会から排除・孤立させるのではなく、再び受け入れて、立ち直りを支えていくことが重要です。
 この活動のことを「更生保護」といいます。日本では、国(法務省保護局)と民間のボランティアとの協働体制のもとで更生保護が推進されており、保護司はその中で中心的な役割を果たしています。


 保護司の活動を大別すると、

  1. 犯罪や非行をした人の立ち直りを助ける活動
  2. 地域の方々に立ち直りについての理解と協力を求め、安全安心な地域づくりを行うための活動

の二つがあります。
 ①の代表的な活動として、保護観察矯正施設収容中の者の生活環境の調整が、②の代表的な活動として"社会を明るくする運動"をはじめとする犯罪予防活動があります。

 保護司には給与は支給されませんが、活動にかかる実費(交通費など)が支給されます。

 犯罪被害を受けた人の支援が重要であることは言うまでもありません。国は様々な被害者支援のための施策を推進しています。
 更生保護の分野においても、被害者の心情や意見をお聴きし、仮釈放等の審理や加害者である保護観察対象者の指導に活かしたり、被害者の方々に対する情報提供や相談・支援を行うなどの取組を進めており、保護司の中には、保護観察所において犯罪被害者支援に従事する方もいます。

法務省保護局「更生保護における犯罪被害者施策」のページ

 罪を犯した人の更生には、地域の支援と理解が不可欠です。保護司のような地域のボランティアが、地域の事情に通じていることや民間人としての柔軟性を活かし、罪を犯した人を隣人として受け入れ、同じ目線に立って親身に接することは、非常に重要な意義を有しています。

サラちゃん(更生保護のマスコットキャラクター)

サラちゃん
(更生保護のマスコットキャラクター)