更生保護とは
更生保護は、犯罪や非行をした人を社会の中で適切に処遇し、地域社会の理解・協力を得て、これらの人たちが自立し改善更生することを助けることにより、安全安心な地域社会をつくることを目指す活動です。
我が国の刑事司法制度において、警察、検察、裁判(審判)、矯正(刑務所、少年院など施設内での処遇)と並び、その最終段階に位置付けられています。
具体的な内容としては、矯正施設に収容されている人の改善更生・社会復帰を促す「仮釈放・仮退院」、釈放後の帰住予定地の状況を調査し、受け入れ態勢を整える「生活環境の調整」、社会内で改善更生を図るための指導や支援を行う「保護観察」、満期釈放者等の再犯を防ぐために保護を行う「更生緊急保護」、刑罰により制限された資格の回復や残刑の執行の免除等を行う「恩赦」などがあります。このほか、「犯罪予防活動」も更生保護における重要な活動です。
保護司は、これらの諸活動のうち、特に「生活環境の調整」、「保護観察」及び「犯罪予防活動」において重要な役割を果たしています。
一連の刑事司法手続により適切な処分がなされ、本人が反省を深めたとしても、最終的に立ち直りを果たすためには、社会に出た後の生活が重要です。地域社会の中に居場所が得られれば立ち直りの可能性が高くなりますが、逆に社会から孤立してしまうと、再犯や再非行といった悪循環に陥る可能性が高くなります。更生保護は、こうした悪循環を断ち切り、誰もが安全に安心して暮らせる地域社会を実現する上で重要な役割を担っています。
法務省保護局「更生保護とは」のページ