更生保護施設は、入所者の再犯防止を目的としています。
そのため、施設の職員は昼夜を問わず、24時間体制で入所者の指導助言に当たっています。
職員が居室確認を行う様子
入所者が施設の清掃を行う様子
生活の乱れや対人関係の些細なトラブルが、結果として、大きな犯罪の発生に繋がってしまうこともあります。
そのため、施設では、健康管理に気を付ける、部屋の整理整頓をする、ゴミの分別をするなど社会生活を送る際に必要なルールを教えていきます。
ただ、本人に頑張ろうという気持ちがあっても、コミュニケーションが苦手であるといった理由から、なかなか集団生活になじめない人もいます。
そういった人たちには、職員が対人関係の調整を行ったり、専門家の援助を借りるなどして、集団生活を無理なく過ごすための方法を教えていきます。
職員が求人広告を見ながら
就職相談に乗る様子
職員がハローワークに同行する様子
自立をするためには、当然収入を得る必要があります。
施設では、就職活動の仕方、求人広告の見方、履歴書の書き方、面接の受け方などを教えます。また、時として、協力雇用主に仕事をお願いすることもあります。
ただ、中には、高齢や身体に障害を抱えている人など、自力での就職が難しい人がいます。
そうした人に対しては、職員がハローワークや福祉事務所などに特別の援助をお願いしたりすることもあります。
職員が入所者から依頼を受け
金銭を預かる様子
自立をするためには、当然お金が必要です。
そのため、更生保護施設では、必要に応じて所持金を預かったり、給与明細書を確認するなどして、無駄遣いをしないよう指導しています。
施設では金銭の貸し借りが禁止されています。また、入所者の中には、既に多額の借金を抱えている人もいることから、地域の弁護士や司法書士の協力を得て、債務整理への自覚を促している施設もあります。
福祉事務所のケースワーカーとの
面接に職員が同席する様子
いざ自立するとなると、退所先を探さなくてはなりません。
親族・友人の所に行く人、就労先に住み込む人、アパートを借りて生活を行う人など様々です。
ただ、中には、高齢者や身体に障害を抱えている人のように就職が限定され、自立が難しい人もいるので、そうした人たちには福祉事務所に相談をするようアドバイスをします。
料理教室の実施風景
自立した生活を送るために、家事を覚えることは重要です。
施設の中には、料理教室を開き、買い物の仕方・食材の選び方・保存の仕方・調理器具の使い方などを教えているところもあります。
入所者の前歴を理解したうえで、積極的に雇用してくれる事業者を協力雇用主と呼んでいます。
更生保護施設には、どのような人が勤務しているのですか? |
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更生保護施設には、施設の業務統括を行う「施設長」、入所者の生活指導などを行う「補導主任」「補導員」、入所者の食事の世話をする「調理員」、施設の経理・事務などを行う「事務員」などが勤務しています。施設の規模によっても異なりますが、高齢の職員が比較的少人数で勤務しているというのが実情です。 |
更生保護施設には、どのような決まり事があるのですか? |
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各施設ごとに規則があり、門限、食事や入浴の時間などが決められています。 原則として、飲酒、金銭の貸借、暴力行為などは禁止されています。 更生保護施設に入る人たちは、これらの規則を守ることを誓約した上で、施設に入ることとなります。 |